Implant インプラント
インプラントとは
虫歯や歯周病、それに事故などによって歯を抜くことになった場合、人工歯を装着するための治療を行ないます。
人工歯には入れ歯やブリッジなどがありますが、入れ歯は強く噛めないうえに外れやすい、ブリッジは隣接する歯を削らなければならない、といったデメリットがあります。人工歯のもうひとつの選択肢であるインプラントは、人工歯根を骨に埋入することでしっかり固定され、強く噛めます。また、残っている歯に負担をかけません。さらに、固定するための金具を使わないので見た目も美しくなります。
インプラントは保険診療が適用されないため価格は高くなりますが、より天然歯に近い人工歯といえるでしょう。
インプラント埋入治療のメリット
- 食べ物が隙間に入り込まず痛みがほぼない
- 人工歯がしっかり固定されるので外れる心配がない
- 強く噛めるためこれまでどおり食事を楽しめる
- 歯冠部分(上部構造)には白いセラミックを使用するので、口元の審美性が高い
- 治療後もメンテナンスを継続すれば、10年以上使用できる
インプラント埋入治療のデメリット
- 基本的に自費診療となり、ほかの歯科治療に比べ費用が高額になる
- インプラント(人工歯根)を埋入するために外科的な手術が必要
- 短くても2ヵ月ほどの治療期間を要する
- 糖尿病などの病気にかかっている場合、すぐに治療をスタートできないことがある
当院の術前検査
インプラント埋入治療を行なううえで重要なのは、治療を終えるまでのシミュレーションを詳細にしておくことです。そのために精密検査を丁寧に実施し、必要なデータを揃えて分析します。患者さまのお口の状態などを調べ、治療計画を立てていきます。精密検査では、骨の状態などを把握するために必要な装置を導入しています。
詳細はこちらレントゲン検査(X線検査)
デジタルレントゲンでお口の中を撮影し、虫歯や歯周病、顎の異常の有無などについて調べます。撮影したデータはすぐにモニターに映し出せるので、患者さまにお見せしながら説明します。
CT検査
歯や顎の状態を3次元的に確認できる検査で、骨の量や密度などを調べられます。もし、骨がインプラントを埋入できる状態にないと判断された場合は、骨を増やすための手術を提案することがあります。また、CT検査により神経や血管の位置も調べられるので、手術時のトラブルを極力避けられます。
血液検査
インプラントによる治療を受けられない条件に、糖尿病や高血圧症といった全身疾患があります。そのため、血液検査を行なって健康状態をチェックし、手術後にトラブルが起きないようにします。
咬合検査
インプラントによる治療を終えた後に正しい噛み合わせとなるよう、事前に歯の型取りをします。型取りをもとに模型を作り、噛み合わせを良くする方法を再現してインプラントを埋める位置を決めていきます。
診断用ワックスアップ
咬合検査で作った模型をもとに、ワックスを使って歯の形を作ります。事前のシミュレーションを緻密に行なうために必要な情報となるため、より細やかに作製します。
当院のインプラント手術について
顎骨の状態を調べて安全性に配慮した治療を行なうだけでなく、人工歯がどのように見えるのかも検討し適応するインプラントを採用しています。そのために、各種インプラントの特徴を理解し、患者さまのご希望にかなうインプラントを選定します。
インプラントによる治療では外科的な手術を行ないますが、手術に対する恐怖心やパニック障害をおもちの方にとってはハードルが高くなります。
当院ではこうしたお悩みを解消できるよう、静脈内鎮静法を検討する場合があります。点滴を受けることで眠ったような感覚になり、恐怖心が薄らいだ状態で手術を受けられます。健忘効果もあるので、治療中の様子は記憶にほとんど残りません。
インプラント10年保証
インプラントを埋入した後も安心してお使いいただけるよう、インプラントと歯冠部分(上部構造)の破折や脱落などによる再治療について費用を10年保証するシステムを採用しています。治療から5年以内の場合は完全保証で、5~10年であれば通常の費用の30%で再治療、または新しく作製します。修理のみで改善できる場合は、上部構造費用の10%のみになります。
詳細はこちら
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
・全身麻酔により、吐き気や嘔吐、肺炎、アナフィラキシーショック、悪性高熱症などを発症することがあります。また、誤嚥性肺炎を起こすことがあるため、治療前日24時以降は絶食いただいています。
・そのほか、麻酔薬の影響ではなく緊張状態や麻酔注射時の疼痛により起こる脳貧血により、悪心、吐き気、手足の震え・痺れが起こることがあります。
・麻酔効果が切れるまで口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しているため、唇を噛んだりやけどなどをしないよう、食事は避けてください。
・アルコールにより血流が良くなり、出血・腫れ・痛みが増してしまうことがあるため、飲酒は避けてください。
・治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
・人体に影響しない程度(医科用CTの1/10程度)の、ごくわずかな被ばくがあります。
・ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。